藤本タツキ先生の大人気短編漫画『ルックバック』がついに映画公開となりました。
映画の内容はほぼ原作通りですが、漫画同様かなりのざわめきを与えてくれている作品になっています!
京本が自分のファンであることを知った時の小躍りシーンは映像になると更にエモかった…!
原作漫画、映画共に絶賛の声が多い中で、
- 『ルックバック』途中から意味が分からない…
- 『ルックバック』ってなにがすごいの?
という意見も見られます。
藤本タツキ先生らしい独特な世界観というか、伏線の回収の仕方というか、そのあたりで意味が分からない、迷子になってしまう読者や視聴者も多いようですね!
確かに原作漫画を読んだ時に「ん?どういうこと?」と思うこともあったな
『ルックバック』意味が分からない、なにがすごいの?と感じる人達の引っかかる場面や理由について調査しました。
映画や原作漫画の内容についても触れますのでネタバレしたくない方はここまででお願いします。
映画【ルックバック】意味が分からないと言われる理由は2つの世界線があるから
「#ルックバック」本日公開致しました。
— ルックバック【劇場アニメ公式】2024年6月28日(金)全国公開 (@lookback_anime) June 28, 2024
朝からすでにご覧頂いた皆様、誠にありがとうございます。
原作者、#藤本タツキ 先生の原作ネームを全ページ収録した入場者特典(オリジナルストーリーボード)もお見逃しなく。
【全国劇場にて公開中】
上映劇場はこちらhttps://t.co/cYbWmn06en pic.twitter.com/TA7TycXLnk
藤本タツキ先生の大人気短編漫画として、元々多くのファンがいた『ルックバック』。
映画は初日から多くの人の心をグッとつかんでいたようで、SNS上でも高評価のコメントが目立ちました!
意味が分からない…と感じた人が引っかかった場面は主に、
ストーリーの中盤あたり(京本の死のあとですね)で藤野が4コマ漫画を破り捨てた後からの世界線ではないでしょうか。
映画ルックバック観た。話をすでに知っていても、というか知っているだけに序盤からうるうるし通しだった。でもちょっと忘れていたので、終盤の「そうならなかった世界」のパートに入ったところで「あれ?どういうことだったっけこれ?」しばらく戸惑って集中を切らしてしまった。
— numeris(Dノ/karabe) (@exuvias) July 3, 2024
『ルックバック』のこの世界線について、
作者である藤本タツキ先生は明言しておりません。
読者、視聴者が好きに想像、考察していいということだと思います。
好きにとらえていいということですね。
私はこういう内容を考察するのが好きですが、白黒はっきりさせたい人には確かに意味が分からないモヤる部分ですね…
京本が生きていてほしい、こんな理不尽な事件は起きてほしくなかったという気持ちは見ている私たちとしても強く思うところです。
最終的に京本の死を受け入れ、もう一度漫画に向き合う藤野の背中を見ると、妄想、空想の世界だったのかなぁと私は思います。
ただ、一方でパラレルワールドであれば、もうひとつの世界では京本が理不尽な死をむかえる事もないですし、こちら側の藤野も京本の感謝のメッセージで救われますよね。
個人のとらえ方にゆだねられているこの世界感がまた、『ルックバック』の奥深さとも言えるのではないでしょうか。
次は、SNSやネット上でのそれぞれの意見も見ていきたいと思います!
意味が分からないと感じる人もぜひいろいろな意見に触れてみてくださいね♪
4コマ漫画を破り捨てた後の世界がパラレルワールドだと思う人の意見
話題の藤本タツキ「ルックバック」
— JURAL SEIZI (@s4OF00i3xB3oKmw) July 20, 2021
藤野の妄想ではなくパラレルワールド…を僕は支持したい。
だってそれなら向こうの世界で京本は理不尽に死ぬ事もなく、こちらの藤野もリアルな京本のメッセージに本当に救われてるから。
ハッピーが増えるじゃん。#ルックバック #藤本タツキ
まさにその通りで、もうひとつの世界では京本が理不尽な死を迎えることがなかったという世界があるのは、見ている人ももちろん藤野自身も救われますよね…!
他にもこんな意見も。
生存ルートでも結局京本は自立して大学に通い襲われており、生存したのはあくまで「助けたから」。 一方藤野は「自分が部屋から出したから死んだ」と考えているため、もしこれが空想なら、大学に通うことはない――つまり助けて生き延びるのではなく、襲われるイベント自体が発生しないことで生き延びるのでなくてはつじつまが合わない
確かに、と思った感想です!
藤野の空想なら京本が大学に通うという設定?にする必要がないということですよね。
「ルックバック」を読んで「Once Upon a Time in… Hollywood」を連想してしまった。
— コレナガ タクロウ / Takuro Korenaga (@johnny_korenaga) July 18, 2021
オマージュのエグさとパラレルワールドの存在を切に願ってしまう感じ。
実は最後のシーンに『Once Upon a Time in… Hollywood』と言う映画のパンフレットが置いてあるんです。
この映画は、ハリウッドの女優シャロン・テートがカルト集団チャールズ・マンソン・ファミリーに殺害されたという実際に起こった事件を【シャロンが殺されない】というハッピーエンドで終わらせた作品です。
原作漫画公開当時SNSでも、この作品をオマージュしていると取れるという考察が飛び交いました。
ハッピーエンドであるパラレルワールドの世界をのぞみたいと思うのは、人の心のあたたかさというか現実から目をそむけたい叫びというか、入り混じった感情の終着点なのかもしれません。
4コマ漫画を破り捨てた後の世界が藤野の妄想、空想、想像だと思う人の意見
ルックバック見てきた。最高だった。
— キャンドルマン (@candlemanhypnoz) June 30, 2024
自分の活動が大切な誰かの人生を致命的な方向に変えてしまったとしても、けして過去の選択は変えられず、パラレルワールドがあったとしても自分はそちらには行けない。それでも藤野は描き続けることを選択した。
藤野の中で漫画を描く理由のひとつに「京本が喜んでいたから」という描写があります。
もうひとつの世界線の最後に、藤野はそのことをハッと思い出して再び漫画を描き始めますよね。
大事なことをハッと思い出して我に返ったので空想ではないかなと思うところですね
京本の死は悲しくて切なくてやりきれないけれど、【描き続けること】を選択した藤野の背中はまた違った背中となっていました。
空想の中でああいう希望を持てるのが漫画の意義ってメッセージを勝手に受け取ったわ…
“空想の中で希望をもてるのが漫画の意義”というメッセージ!
『ルックバック』は作者が何故漫画を描くのかとと言うメッセージでもありそうですよね。
誰かに喜んで欲しいと思う気持ちや、自分の作品が現実を乗り越える糧になってほしいと言う事を強く伝えたい作品なのかもしれません。
また、映画化にあたり、藤本タツキ先生は「自分の中にある消化できなかったものを、無理やり消化するためにできた作品」だったとコメントしているそうです。
ルックバック最後の京本生存ルートは、まぁ個人的には確実に藤野の妄想だと思うんだよな
— ぐでみ (@gudemiii) July 2, 2024
所々の流れに違和感あるし
だから藤野の中で京本は藤野が居なくても美大に行くし、京本が居なくても自分はまた漫画を描くと考えてるって解釈してる
なんかこう…良いよね…
最後の四コマは考察の余地ありだね
藤野がいなくても京本は美大に行く、京本がいなくても藤野はまた漫画を描くというのが“空想”であるということは藤野がそう考えているということ。
だからこそ、空想である、空想であってほしいという説も納得ですね。
読者や視聴者が様々なとり方ができるよう、あえてぼかして表現し、想像の余地が残されているのでどちらのパターンと受け取っても間違いではないはずです。
パラレルワールドのような、空想世界のような…どちらをとっても何かぼやけているところが藤本タツキ先生の表現力の深みを感じさせますね。
映画【ルックバック】なにがすごいのか
ルックバック、本当に本当に凄かった。
— ここね (@coco7w1) June 28, 2024
上映時間短いけど映像も音楽も鳥肌がたつほど素晴らしくてすごい満足感だった、藤本タツキ先生の世界が目の前に広がってた。
声もすごく良かったな、余韻覚めやらぬまま今からパンフレットを熟読しようと思う😭 pic.twitter.com/lStuKpJ1ia
原作漫画、映画ともに高評価が多くみられる『ルックバック』
観た人、読んだ人がどんなところが「すごい!!」と感じたのか見ていきましょう。
作画がすばらしい!
ルックバックの瞳の塗り分け処理、涙袋の表現すごい発明だなあ。ロングでも目の情報量増えるし、目のアップでもキャラの書き分けができる pic.twitter.com/rXbjLbPy8A
— 水池屋 (@mizuikeyatarou) April 30, 2024
監督は押山清高さん。藤本先生も化け物アニメーターと呼ぶほどの天才だそうです!
アクションの作画では、動きや演出が色彩豊かで躍動感があると評価の高い押山さんです。
藤本タツキ先生の個性ともいえる画風は、万人受けするような綺麗、美しい、繊細な作画とはまた違いますが(いい意味で)、それを大きく改変することなくアニメに持って行ったと作画に関してめちゃくちゃ良い!!という感想ばかりでした。
絵がテーマの作品なので絵にはもちろん注目が集まりますよね。
『ルックバック』では、キャラクターを藤野、背景は京本が担当した漫画家としての活躍を見せるところがメインにきているため、
本作全体を通してキャラクターには特に藤本タツキ先生らしさをしっかり残して藤野っぽさを、背景を細かく繊細に描くことで京本っぽさというのを意識しているのでは?
と、考察している方もいました!
約1時間の短い作品なのに内容が濃い!
映画『ルックバック』を観てきたんだけど、想像以上の満足感ですごい。 約1時間の上映でこれだけの作品が作れるのなら、もう映画は1時間で良いのかも……。 音も無音から逃げてないし、画も美しかったし、音楽もnakamura harukaで凄い良かった……。 創作する人は全員胸打たれる作品だった。
映画『ルックバック』は58分なので、約1時間。
映画としてはかなり短い作品です。
しかも上映される映画館もかなり限られていて、チケットの値段も1,700円で統一されているというかなり珍しい形の映画ですね。
映画で1時間か~色々カットされるのかな?すっ飛ばした感あるのかな?
と思う方も多いかもしれませんが、映画『ルックバック』はしっかりと1時間に詰め込まれています!
1時間とは思えない満足感を味わえる映画だった!という評価が多数ありました。
原作漫画の良さを引き出している!
藤本先生の力強い原作をそのままのニュアンスで活かされており、原作からの改変はほぼなしで漫画がそのまま動いているような作品に仕上がっています。
漫画では静であるものがアニメーションになったことで躍動感、喪失感の濃度がかなり高まっていると感じました!
上にも書いたように作画がいい!という評価にもつながる部分がありますよね。
漫画では、多くの効果音や擬音が使われますが、原作漫画『ルックバック』では、
- 藤本が京本の部屋を訪れた時の“ガタンッ”
- インターホンの“ピンポーン”
の2か所しか使われていないんです。
これは漫画が出てすぐに読者の間でも話題になっていた点なんですね!
『ルックバック』は全体的な静けさ自体も大きな演出のひとつ。
アニメーションになったときもオーバーな音に逃げず、静けさの中にキャラクターの心情をしっかりと映し出した表現がされていて感動しました。
そういった漫画での特徴も映画で活きていると感じられるポイントです♪
映画【ルックバック】意味が分からないところやすごいところまとめ
本記事では、『ルックバック』が意味が分からないと言われる点、なにがすごいのかについて私の感想、考察や、SNSなどネット上の感想、考察を集めてみました。
意味が分からないと感じるのは、世界線がふたつあるところですね。
受け手の判断に任せているあたりが藤野タツキ先生の作品の奥深さを感じます。
映画『ルックバック』は原作漫画もかなりの注目を集めていたこともありますが、映画公開すぐから感動したという感想がSNS上にあふれかえっています!
なにがすごいのか、たくさんの意見がありましたが、特に作画のすばらしさには感動しました。
気になっている方は是非映画館へ足を運んでみてくださいね。